河原町星屑通東潜ル

短歌とエッセイ。Twitter https://mobile.twitter.com/moeori

短歌

挽歌としての相聞歌

虚構のラブストーリー。 木下龍也と鈴木晴香の共著歌集、『荻窪メリーゴーランド』の帯の言葉だ。 虚構と現実ではやはり現実の方が重みがあるとは思う。けれど虚構でしか描けない風景も存在するし、望まぬ現実があるのと同じくらいに望んだけれど訪れなかっ…

夜行バス揺られてきみに会いにゆく窓の外には知らない夜景

夜行バス揺られてきみに会いにゆく窓の外には知らない夜景 #短歌 #tanka 夫と遠距離恋愛をしていた時期がある。 夫もわたしも関東の生まれで、同じ高校に通っていた。 病気で高校を辞めたり入院したり大学留年したり…というまわりくねった遠回り人生のわたし…

ネクターの跡地

自販機のそこにいたはずネクターは覚えているのは僕だけだけど #短歌 #tanka * 職場の自販機からネクターが消えた。 ネクターが消える数日前のこと、先輩パートのお二人が自販機の前で話をしているところに通りかかった。 「あ、こいしちゃん。こいしちゃん…

帰省と餃子

帰省する度に餃子を包んでる義父の背中のある台所 #tanka #短歌 義実家に帰省すると決まって餃子が出てくる。 餃子はお義父さんの得意料理かつわたしの好物なので、あちらのお家に行くことになると毎回作ってくれる。 夫の実家とわたしの実家は電車と徒歩で1…

「夏なんか」

#短歌 #tanka 「夏なんか嫌いだよ」って嘘を吐くことも含めて夏を味わう * 夏が嫌いだ。 暑い。汗をかく。日に焼ける。etc… 冬のほうがわたしにはずっと好ましい季節だ。 でも「夏なんか嫌い」と言っている瞬間が一番強く夏を感じてしまう。 そのことに何と…